
心はほっかり


引きずるように歩いてた帰り道

信号が赤で止まったら、おとなりに小柄なおばあちゃんが一人。
背筋のきちんとのびた、素敵なおばあちゃんだったの

「寒いわね~」
「ほんとですね。クラちゃんだってコロちゃんだって、毛皮つきでもこんなに寒いのに

「そうよ、おばあちゃんじゃもっと寒いわ。私いくつに見える?」
「えっと…いくつかなあ…」
「92歳よ」
「ええええーーーー!!!見えない~~~~」
そしたら、これあげるわって。
ハンカチをたたんで縫った巾着をふいに渡された。
「えっ?えっ?」とびっくりしている間に
おばあちゃんは「たくさん作ってるからいーのいーの」って。

信号は青に変わり、おばあちゃんは小走りで横断歩道を渡る。
「気をつけてね~」ってクラちゃんが言うと
「近くだから大丈夫よ~」って。
心がほっこりする突然の出来事だったよ

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